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就業規則のポイント


採用や給与・退職金、退職など

就業規則作成時のポイントを

項目ごとにお伝えします。

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就業規則のポイント


採用や給与・退職金、退職など

就業規則作成時のポイントを

項目ごとにお伝えします。

総則・採用のポイント


総則・採用のポイント


総則

1、「労働基準法その他の法令の定めるところによる」と記載していませんか?
 このままですと就業規則に記載していない事項に関し、すべて労基法や通達による解釈が優先されることになってしまいます。

2、「パートタイマー、アルバイト等に関し別に定めた場合はその規程による」と記載していながら別の規程が無いということはありませんか?
 もし、別規程が無い場合は、パートやアルバイトについても就業規則の本則が適用されることになります。

3、「この規則は第2章で定める手続きにより採用された従業員に適用する。」と記載されていればパートや嘱託の方を除外していると受け取れるので有効ですが、従業員とのトラブルを未然に防ぐためにも、「~を除く」と明記したほうがいいでしょう。

4、労使慣行を一方的に変更できると思いますか?
 「労使慣行は就業規則に書いてないから変えちゃえ!」ということはできません。繰り返し実行されている労使慣行は就業規則と同等の意味をもちます。 


採用

1、「2週間以内に次の書類を提出しなければならない」と記載していても、提出しない場合の制裁が決まっていますか?
 「2週間」の意味は解雇予告せずに即日解雇できる期間ということです。その後に提出された書類を確認して本採用できないことが判ったときは解雇予告期間が30日以上必要になってしまいます。

2、提出書類の中に身元保証書、通勤経路申請書はありますか?
 最近は従業員の所得が低下していることもあり、会社の物品の横領が目立っています。犯罪抑制のためにも身元保証書は提出させたほうがいいでしょう。

3、身元保証人の責任はいつまで存続するか知っていますか?
 身元保証書は保証人の存在を確認するためにも毎年更新することが理想的です。なるべく期間を長くしたいときは身元保証書に「保証期間5年」と定めてください。尚、期間の定めの無いときは3年となり、自動更新はありません。

4、試用期間はありますか?その間の社会保険は加入しますか?
 試用期間中も、社会保険には加入しなければいけません。どうしても加入させたくないときは、短時間労働者にするか2カ月以内の雇用契約を締結してください。

5、試用期間中に解雇したいときはどうしますか?
 まず、就業規則のどこに該当するか確認してください。「なんとなく他の従業員となじめない」くらいでは解雇できません。次に採用してから何日経過したか確認してください。14日以内ならば即日解雇できますが、それ以上経過していれば解雇予告期間が30日以上必要です。

6、「労働条件の明示」の条項はありますか?
 労働基準法では、採用時に次の5項目を書面により明示することになっています。

①労働契約の期間
②就業場所、従事する業務
③始業終業時刻、残業の有無、休憩、休日、休暇
④給与額、計算および支払の方法、締切日、支払日
⑤退職に関する事項
 もし、まだ記載がないときはすぐに追記してください。

7、採用内定取り消しの法的性格と会社責任について知っていますか?
 条件付労働契約の成立とみなされますので、従業員の解雇とほぼ同等と考えてください。

8、自宅待機させたときは有給ですか、無給ですか?
 自宅待機は、制裁ではなく業務命令のひとつと考えられるので原則有給になります。ただし、社内でトラブルを起こし再発の可能性や証拠隠滅のおそれがある場合は無給でも問題ありません。 

勤務・服務規律のポイント


勤務・服務規律のポイント


勤務

1、週40時間はクリアできていますか?
 もしクリア出来ていないときは、1年単位の変形労働時間制などを採用し、すぐに改善するようにしてください。

2、変形労働時間制は採用していますか?
 変形労働時間制には、1年単位のほかに1カ月や1週間、フレックスタイム制などがあります。自社の状況に適合した変形労働時間制を採用してください。

3、「休日は年間カレンダーによる」と記載してあっても、カレンダーを周知していないということはありませんか?
 年間カレンダーは従業員に周知しなければいけません。会社として決定した事項は早めに従業員に伝えることが会社の義務ではないでしょうか。

4、「休日の振り替え」を正しく行っていますか?
 「休日の振り替え」と「代休」は同じことではありません。週40時間を超えなければ振り替えの場合、割増賃金が不要ですが、代休は割増部分の支払いが発生します。

5、時間外勤務と休日勤務を正しく分けていますか?
 残業は1,25倍、休日出勤は1,35倍として手当を支払っていませんか。例えば土、日が休みのときの土曜出勤の場合、一般的に週1回の法定休日は日曜になるので、土曜出勤の手当は1,25倍でOKです。

6、課長という役職だけで「管理監督者」としていませんか?
 会社の役職と労働基準法でいう管理監督者は別物です。その課長が人事権や給与の決定権など経営側と同等の権利を持っているかどうかで判断します。一般的には課長クラスでは管理監督者というには無理があるのではないでしょうか。

7、時間単位の年次有給休暇を採用していますか?
 平成22年4月の労働基準法改正で、従業員側が希望した場合、時間単位の年次有給休暇を取得できるようになりました。従業員の方々が知らないことも考えられますので1度確認してみてください。

8、年次有給休暇の届出はいつまでに提出することになっていますか?
 「1週間前までに届け出ること」とすることも出来ますが、労基署が介入すると必ず是正させられます。労基署は「2日前までに届け出ること。止むを得ない事情がある場合には当日の始業時間までに届け出ること。」と記載することを望んでいるようです。

9、年次有給休暇の更新を一斉に行うときは、正しく実施していますか? (特に1年目、2年目)
 おそらく最初の6ヵ月経過後に10日与えるということは、有給休暇制度を知っている会社ならほとんど実行しているでしょう。問題は次の更新日です。全社員一斉に更新している会社の場合、この最初の更新が入社日により得する場合と損?する場合が発生してしまいます。1人ずつ年次有給休暇を管理することが理想ですが、あまり有利不利を作らないためにも2グループに分ける等の対策が必要と思います。

10、年次有給休暇の「出勤率の算定」の項目に、特別休暇や生理休暇を記載してありますか?
 出勤したものとして 取り扱う休暇には下記のものがあり、一般的に就業規則に記載されています。

①年次有給休暇を取得した期間
②産前産後、育児介護休業期間
③業務上の傷病による休業期間
 しかし、他の休暇については何も記載されていないことが多いため「特別休暇や生理休暇は除く」と明記すると、より判りやすいでしょう。

11、「育児・介護休業は別規程による」と記載されていて、別規程が無いということはありませんか?
 育児・介護休業規程はボリュームがあるので就業規則内に盛り込まず、別規程にしたほうがいいでしょう。

12、「育児・介護休業」は有給ですか、無給ですか?
 育児休業については雇用保険から給与の67%が補償されるので無給の会社がほとんどです。

13、「母性健康管理のための休暇」についての記載はありますか?
14、「医師の診断書」が必要なのは何日以上休んだときですか?
15、「休職」についての記載は必要ですか?
 どの就業規則にもあたりまえのように休職について記載されていますが、本当に必要か十分に検討するべきです。 休職期間中は在職が補償され従業員の方はある程度安心できますが、逆に従業員数の少ない会社にとっては負担が軽くはありません。

16、休職期間が長すぎませんか?
 社長を含めて5人の会社の就業規則で、休職期間が3年ということがありました。大会社なら理解できないこともないですが、少人数の会社では仕事が回らなくなってしまいます。休職期間が過剰ではないかチェックしてみてください。

17、転勤命令を拒否した者を強制的に転勤させることができると思いますか?
 まず、採用したときの労働条件を確認してください。勤務地限定という条件で採用していれば強制はできません。それ以外であれば介護老人が同居している等合理的な理由がない限り命令に従う必要があります。

18、出向は一方的に業務命令とすることができると思いますか?
 一般的な在籍出向は、就業規則に「出向命令は拒否できない」と記載されていれば本人の同意は不要です。移籍出向は必ず本人の同意が必要です。

19、出向社員に対する労働基準法上の使用者責任は誰が負うか知っていますか?
 出向元、出向先、出向社員の3者による取り決めによりますが、多いのは
 出向元 給与支払、社会保険・雇用保険の加入
 出向先 労災加入、労働時間・休憩・休日の管理
となっています。 


服務規律

1、「服務心得」を細かく記載してありますか?
 終身雇用制のころは、従業員の方々の会社への帰属意識が高かったため、ありきたりな服務心得で十分でしたが、最近は事細かに記載しておく必要があります。従業員の中にはとんでもないことを平気で行う人が多々存在します。

2、喫煙について記載してありますか?
 最近は分煙が当たり前になっています。禁煙者の受動喫煙を避けるためにも今後は喫煙室を作ることをお勧めします。

3、「始業時刻までに出社すること」と記載していませんか?
 帰属意識の少ない従業員は本当に始業時刻ぎりぎりに出社します。この記載のしかたでは始業時刻に業務を開始できない可能性があるので「始業時刻に業務を開始できるように出社すること」としてください。尚、「始業時刻10分前までに」等の時間を記載すると労基署に指摘される場合があります。

4、遅刻相当分を当日の残業時間で相殺してもいいですか?
 当日に関してのみ、相殺することが可能です。別の日の遅刻と残業は相殺できません。 

給与・退職金、退職・解雇のポイント


給与・退職金、退職・解雇のポイント


給与・退職金

1、「従業員の給与は、別に定める給与規程による」と記載されていて、別規程が無いということはありませんか?
 給与規程が就業規則の中に組み込まれていないときは、すぐに作成するようにしてください。

2、「従業員の退職金は、別に定める退職金規程による」と記載されていて、別規程が無いということはありませんか?
 過去に退職金を支払ったことはありますか。また、会社には退職金を支払うだけの余裕がありますか。退職金規程を作成するということは、会社に退職金の支払い義務が発生すると言うことです。退職金保全の方法には中退共や年金基金、確定給付企業年金、401Kなどがありますが20年、30年先のことを十分に考えて決定してください。

3、退職金の引き下げを行うときの手続きを知っていますか?
 原則は、現在までの金額を保証しなければいけません。どうしても支払えず金額を下げざるを得ないときは、従業員の方々と十分話し合ってください。今後は退職金をなくすのか、ポイント制に移行するのか、率を下げるのか、会社が倒産すれば全く支払えないことを念頭において説明するようにしてください。

4、給与の不利益変更は合理的な理由があれば認められると思いますか?
 従業員の方の同意が必要です。会社の経営状況やワークシェアリング等の説明をしてください。どんな合理的な理由があっても一方的な不利益変更は認められません。 


退職・解雇

1、定年は何歳になっていますか?再雇用制度はありますか?
 定年の最低年齢は60歳です。さらに、継続雇用または再雇用で65歳までの雇用が義務づけられています。

2、再雇用する要件は決めてありますか?
 再雇用についての労使協定書で、再雇用する要件を決めていない場合、全員を無条件で再雇用する必要があります。

3、退職の意思表示は、何日前までにすることになっていますか?
 自己都合退職の場合、法律上は2週間で 退職が認められますが、適任者が見つかりにくいポストの者が退職するときのことを考え、「1ヵ月以上前」と記載しておくほうがいいでしょう。

4、同業他社への再就職の規制についての記載はありますか?
 就業規則は従業員でない者についての抑止力はありませんが、無秩序な同業他社への再就職は阻止しなければいけません。また、不正競争防止法により保護される場合もあります。期間を定めて制裁措置を決めておくべきでしょう。ただし、近年の判例を見ると競業禁止義務の対価にふさわしい報酬を支払っていないと無効となる可能性が高いようです。

5、「解雇」についての記載は何項目ありますか?少なすぎませんか?
 会社への帰属意識が少ない従業員は就業規則の盲点をついて、いろいろ仕掛けてきます。その対策として解雇の項目は細かく規定したほうがいいでしょう。

6、解雇予告除外の認定に何日くらいかかるか知っていますか?
 社内での犯罪や、社外で犯罪を起こし会社の名誉を毀損した場合でなければ解雇予告除外は認定されません。もし、認定されるという前提で労働基準監督署に申請しても、その後の現地調査等に時間がかかるため最短で2~3週間かかります。そうなると1ヵ月後を指定して解雇予告をしてもあまり変わらなくなってしまいます。そのあたりを勘案して申請するか決めてください。

7、「解雇制限期間」を勘違いしていませんか?
 「業務上の傷病による休業期間とその後30日間」「産前産後の休業期間とその後30日間」は解雇できません。よく勘違いされて、休業がおわり出社したその日に「30日後にやめてくれ」と言ってしまうことがあるようです。「その後30日」というのは出社して30日経過後に解雇予告ができるということです。

8、再雇用が慣行化している場合、不況を理由に拒否できますか?
 再雇用が慣行化している場合、就業規則に記載されていなくても同様にみなされるため不況を理由に拒否することはできません。

9、定年後の再雇用で給与を変更できますか?
  一般的には、定年後に再雇用する場合、業務内容も大幅に変更されるため当然給与についても改訂されます。本人と話し合い給与額を決定してください。

10、有期雇用契約期間中の解雇はできると思いますか?
 原則はできませんが、止むを得ない事由があるときは解雇できます。「止むを得ない」とはやや抽象的ですが就業規則の解雇事由に準拠すればいいと考えます。

11、従業員が行方不明になり、退職させたいときはどうしていますか?
 一般的な就業規則では、無断欠勤に該当させて懲戒解雇にしていますが、この場合従業員本人に解雇通知が到達していないと解雇そのものが無効になる可能性があります。法律上は公示送達という手続きをとることになりますが、このような面倒な処理をする前に就業規則の「退職」の条文に次の文章を追加しておいてください。「行方不明による欠勤が14日以上に及んだときは自然退職とする。」これにより解雇ではなく自己都合退職となりますので、解雇予告手当等の問題もなくなります。

12、退職時に年次有給休暇の残日数をまとめて請求されたときはどうしていますか?
 原則は退職日までの日数分は取得させる必要があります。ただし「退職日からさかのぼった二週間以内の所定労働日については、原則として正常に勤務し、円滑な業務の引継ぎを行わなければならない。引継ぎを行わない場合、退職金を減額することがある。」くらいの記載は必要と思います。

安全衛生、表彰・制裁のポイント


安全衛生、表彰・制裁のポイント


安全衛生

1、健康診断の費用負担について記載してありますか?
 年1回の健康診断の費用負担は会社に支払い義務がありますが、再検査の費用負担は本人でかまいません。尚、業務時間中に健診する場合その間は無給でかまいませんが、有給としている会社がほとんどです。

2、健康診断記録の管理と個人情報保護について勘違いしていませんか?
 健康診断を実施した病院からは、ふつう会社保管用の診断結果一覧表と個人票が送付されてきますが、病院によっては個人票だけの場合もあるようです。まず、会社が実施する健康診断を受診することに同意した時点で、個人情報を会社に公開することに同意したとみなされます。ただし、個人宛の封書を無断で開封することは出来ないので、本人の許可を得てコピーするようにしてください。   

3、会社の過失により従業員がケガをした場合の注意点
 業務上の災害には、一般的には労災保険を使用しますが、会社側に過失があった場合、従業員が損害賠償請求をしてくることがあります。この場合会社が損害賠償をしても、会社は労災保険の給付請求権を代位取得できないので、結局労災保険を使うことはできなくなってしまいます。このような事態を防ぐためにも「安全衛生」や「雑則」の(災害補償)の条項に下記の文章を記載しておいてください。
「従業員が業務上負傷し、または疾病にかかったときは、労働者災害補償保険法に基づいて給付を行なう。会社に過失があった場合でも、労災保険の利用を最優先とし、損害賠償請求等は労災保険の給付に不足があった場合のみ対応する。」


表彰・制裁

1、「表彰」を実際に実施したことがありますか?
 表彰したことが無いのであれば、記載しておく意味が無いので削除しましょう。

2、「解雇」と「懲戒」を混同していませんか?
 解雇とは従業員をやめさせることです。懲戒とは罰を与えることで、制裁の種類を指しています。最もおもい懲戒が懲戒解雇になります。

3、訓戒、降格、減給、出勤停止、懲戒解雇などがリンクしていますか?
 就業規則の制裁の項目と、実態が合っていますか。制裁を与えるときは必ず就業規則のどの項に該当するか確認してください。

4、セクハラやパワハラについて記載してありますか?
 最近はパワーハラスメントが増加傾向にあります。そろそろセクハラ、パワハラ規程は別に作ったほうがいいと思います。

5、飲酒運転の懲戒について記載してありますか?
 飲酒運転についての懲戒は、どんなに厳しくても厳しすぎることはありません。世の中が「飲酒運転は絶対許さない」という方向に向かっているので、従業員にも絶対させないようにしてください。

6、「懲戒」は何項目ありますか?少なすぎませんか?
 従業員の方々の帰属意識が最近さらに減少しています。会社を守るために細かすぎるくらい記載しましょう。

7、「損害賠償」に金額を記載していませんか?
 従業員に会社の損害相当額を賠償させることはできますが、損害賠償額を就業規則に記載することはできません。注意してください。

8、売上金を横領した者を即時解雇しても大丈夫ですか?
 社内で犯罪を犯しているので解雇予告除外の認定は受けられますが、認定がおりるまでに解雇をすると解雇予告手当が発生します。どのような事情であっても、すぐに「クビだぁ」と言うことだけは避けてください。